琴の葉、零れし咲。

零れそうな種を、失くさぬよう、しっかり結ぶ庭。

*『贈り物』

『贈り物』

 

贈ることは どこまでも色褪せないね

 

華奢な向日葵が咲く頃は

庭木に止まった天道虫の羽が

真っ赤に燃えて 一日の始まりを告げる

もっと素敵にどこか穏やかに

あなたの帰りを待っている 昼下がりの日曜日

 

母がくれた黄緑色の絵葉書が

今も懐かしく 心にも咲いている

何気ない心配りのインクの香りが

うたた寝した落書きに 想い馳せる

 

贈ることは どこまでも色褪せないね

遠く故郷の空まで 飛んで行くんだね

言葉も笑顔も乗せて どこまでも

ちょっぴりふざけた似顔絵を添えて

 

健気に揺れる向日葵の花が

縁側から見える水やり如雨露が

真っ赤な色して 嬉しそうに頬に水を溜める

ぱっと開いて襟を正して

あなたが笑顔になるための 淡い夏の日

 

母が嬉しそうに笑った写真を

今も大切に 心に仕舞っている

何気なく書いたメッセージの最後は

「じゃあ またね」って 手を振りながら

 

贈ることは どこまでも色褪せないね

遠く故郷の空まで 飛んで行くんだね

笑顔も涙も全部 覚えてる

ちょっぴり恥ずかしい思い出は置いてきて

 

子どもの頃に買った綺麗なスニーカーは

今は色褪せて 使えそうにないけど

捨てられないのは 大切な思い出があるから

 

贈ることは 何でもない日々の中で

贈ることは どこまでも色褪せないね

魔法の絨毯が無くたって 飛んで行くんだね

言葉も笑顔も乗せて どこまでも

ちょっぴりふざけた似顔絵を添えて

 

贈ることは どこまでも色褪せないよ ずっと

 

 

作詞:ザッキー